ガンバ大阪について語る会

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「ほろ苦い復帰戦」8/10 22節サンフレッチェ戦レビュー

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1対戦クラブ

 好調の今シーズン。というより昨季2位だったことを考えれば順当だとも思えるが昨季後半戦の失速のイメージがある。その昨季失速の始まりがここパナスタでの試合だったことを考えれば相手も気を引き締めてくるはず。前回アウェイの対戦では開始早々の2失点で出鼻をくじかれ完敗。パトリックが抜けてもすぐさま後釜を補強。クラブ同様フロントの動きも迅速で的確。ここ数年苦戦しているイメージがある。簡単には勝たせてくれない手ごわい強敵である。

 

2メンバー

 パトリックが契約上出られない。食野電撃移籍。復帰した井手口の起用法。消耗激しい夏場のミドルウィークに負けられない天皇杯を控えることを考えればかなり難しい選考だったことは想像に難くない。そんな中パトリック以外はベストメンバーでそろえてきた。810〈ヤット〉の日にガチャピンを迎え、公式戦1000試合達成セレモニーもあった背番号7はベンチスタート。宇佐美ホーム凱旋、注目の井手口復帰戦をなんとしても勝利で祝いたい一戦。

 

3試合寸評

 前半は立ち上がりから積極的な仕掛け。小気味よくパスは回る。相手が引いて中を固める戦術できたところもあるが、ヤットさんがいなくても宇佐美がいればパスは回り攻撃の形は作れる。高江の縦横無尽の動き出し、矢島の効果的なパス、福田の積極的な仕掛けから再三チャンスを作る。夏場の戦いを考慮し、前半は抑えて後半青山を出してからギアチェンジするという相手の戦略も見えたことから何とか前半で先制したかったが、広島守備陣の最後のところはしっかり蓋をする体を張った守備もあり、シュートはなかなか枠をとらえられず。たまに発動するカウンターは脅威だった。

 後半、63分の青山投入を契機に前への圧力を強める。前半同様相手を上回る時間帯が続くもチャンスを生かせず。状況を打破しようと76分千真、80分井手口、87分鈴木投入。一進一退の攻防が続くがついに89分、均衡が破られる。自身のサイドチェンジからエリア内に侵入した倉田が小野瀬のシュートのこぼれ球を思いきりゴールに叩き込む。待ちに待った先制点。この瞬間パナスタの熱気は最高潮となった。熱気も冷めないままアディショナルに突入、前がかりになる相手ボールを奪い宇佐美が力強い反転から数的優位のカウンター発動しそうになるが、たまらず相手DFが宇佐美を後ろからチャージ、余裕でイエロー出ると思ったら山岡主審はプレーオンの判定、すかさず井手口が千真に通そうとするも相手にカットされつながらず。この時点でプレーオンしたところに戻って宇佐美へのファールから再開と思いきや笛は吹かれず、その流れで自陣ゴール前へ運ばれたボールのこぼれ球を井手口が、よりによって一番警戒すべき青山へとクリアミス、青山はダイレクトでフリーの森島へ。森島は、まうで昔から一緒にプレーしていたのかと思えるくらい、レアンドロペレイラの得意のコースへ図ったようなクロス、そこからペレイラがヘッドでサイドネットへ流し込む。プレーオンからわずか数秒の出来事。追いつかれた後勝ち越す時間は残されておらずそのままタイムアップ。試合終了後、当然ガンバサポから山岡主審へ大ブーイングは鳴りやまなかった。またもやリードしながら終盤に追いつかれる痛い引き分け。試合終了後、律儀なパトリックは広島サポへ挨拶、広島サポからはパトコール。後味の悪い試合の中、どこに行っても愛される男の姿がせめてもの救いだった。

4採点〈6.0が及第点、あくまで個人的見解です)

①東口 6.0 79分味方のミスをカバー、失点時はややポジショニングが右に偏ったか。並みのGKならノーチャンだろうが日本一目指すヒガシなら何とか触ってほしかった。

㉗高尾 5.5 ビルドアップや効果的な攻撃参加は好印象だが、前節に続いてまたもや試合終盤で競り負け失点に絡む。井手口のパスミスが発端で難しい対応だったが、少なくともドフリーでヘッドさせないような対応ができなかったか悔やまれる。同じミスは二度としないでほしい。

⑤三浦 6.0 的確なポジショニングで何度もシュートブロック。あとはセットプレーで得点に絡めれば言うことはない。

⑲キムヨンゴン 6.5 守備はノーミス。攻撃でも効果的なパス出し、攻撃参加。安定感抜群、替えの利かない存在。

⑧小野瀬 6.5 気の利いたパス、ドリブルと運動量で攻守に貢献。相手のストロング柏にほぼ仕事をさせなかった。15分は枠内へシュートしたかった。79分失点につながなりかねないボールロスト。89分、鋭いドリブル、シュートが先制点につながる。

㉑矢島 6.0 前半から何度も効果的なパスで攻撃のリズムを作る。41分、フリーで放ったシュートは枠に飛ばしたかった。

㉞福田(87分out) 6.5 豊富な運動量と積極的な仕掛けでハイネルと見ごたえのあるマッチアップを展開。83分失点につながりかねないパスミスを除けば攻守への貢献は大きかった。ゴール前の精度を高めれば替えの利かない選手になり得る。今後の成長に期待。

㉙高江(80分out) 6.0 攻守に躍動。あとはフル出場したときにどうなるか。今後もどんどん試合に出してほしい。

⑩倉田 6.5 攻守に貢献。89分サイドチェンジで自らチャンスを作り得点まで決めた一連の流れは秀逸だった。

アデミウソン(76分out) 5.5 前節よりボールロストは改善し、チャンスメイクしたが決定的なパス、シュートは放てず。

㉝宇佐美 6.0 ボールキープ、パス、シュートで攻撃を牽引した。体を張った相手に防がれた何本かのシュートのどれかは決め切りたかった。

㊴千真(76分in) 5.5 交代出場も効果的な攻撃のプレーは見られず。

⑮井手口(80分in) 5.0 終盤失点の原因を作った張本人。プレーオンからのパスミスと、青山に渡したクリアミスは致命的。何のために復帰し、その背番号15を背負ったのかこの試合だけではわからなかった。宇佐美、パトリックと続いたポジティブな復帰戦にはならずほろ苦さだけが残った。無双していた17シーズンからは程遠い出コンディションと試合勘が整うまでは大事な場面では使えない。

⑰鈴木(87分in)短時間で採点せず 時間が短いので評価は難しいが、まだ彼の良さがわからない。

監督 5.0 難しいメンバー選考の中、相手を圧倒した試合内容は評価できる一方、前節に続きまたしても交代カードが裏目。試合に出られる状態ではなかった井手口をなぜ大事な場面で起用したのか。試合展開の読めるヤットの起用をなぜ見送ったのか。交代選手は全く結果を出せず。采配ミスでまたしても勝てる試合落とした。

 

5対戦クラブベストプレイヤー

⑭森島 効果的なパス、ドリブル、シュートは常に脅威。アディナルタイムの場面で得点につながったクロスは絶妙で見事だった。攻撃的MFは激戦区だが東京五輪も狙える逸材と感じた。また青山も途中出場でさすがの存在感だった。

 

6今後に向けて

 難しいメンバー選考の中でも好調広島相手に上回れる時間が長かったことはポジティブな要素である。中3日の天皇杯の勝利はマスト、続く磐田戦に勝利すれば残留には大きく前進する。夏場の重要な2連戦を何とか連勝で乗り切れれば上昇気流に乗れると思われる。マーケット閉まるまで時間は少ないがフロントの食野の後釜FWの補強にも期待したい。